- 2025.5.22
地域と学校の絆を深める「学校開放」:知っておきたい課題とみんなで考える解決策
地域の皆さんが学校の体育館や運動場などを利用できる「学校施設開放事業」は、地域とのつながりを深め、健康づくりや、子どもたちの元気な育ちを応援する、とても良い取り組みです。しかし、その素晴らしい一方で、現場にはいくつかの難しい問題があるのも事実です。
1. 古くなった施設のお話:どこまで直せるのか
多くの学校の建物は、ずいぶん昔に建てられたものが多く、だんだん古くなってきています。皆さんが使うことで、施設が傷んだり、置いてあるものが壊れたりすることもあります。それを直すためのお金や予算を確保するのは、学校や市役所・町役場にとって大きな負担です。限られたお金の中で、どこまで直していくことができるのか。これは、この事業をこれからも続けていけるかどうかに関わる、大事な問題です。地域の皆さんの大切な学校を、これからも大切に使い続けていくために、どうすれば良いか考えなければなりません。
2. 「もしも」の時のこと:安全を守る責任は誰に?
皆さんが学校の施設を使うときに、もしも事故が起きたり、物が壊れたりしたら、誰が責任を負うのかがはっきりしないことがあります。体育館で転んでケガをしたり、備品が壊れたりするだけでなく、知らない人が学校に入ってきてしまう危険性もあります。子どもたちが学ぶ大切な場所を開放するからこそ、安全のためのルールをしっかり決め、管理する仕組みを作ることが急ぎ求められています。皆さんが安心して学校を使える環境を整えるためには、より明確な責任の決め方と、それに対する対策が欠かせません。
3. 先生方の負担:お仕事が増えていませんか?
学校を開放する事業では、利用の申し込みを受け付けたり、鍵の管理をしたり、施設がきちんと使われているか点検したりと、色々な細かいお仕事が発生します。これらを先生方が担当していることも少なくありません。本来の授業など、先生方の大切な仕事以外の負担が増えることで、学校の先生方が疲れてしまうことにもつながりかねません。先生方が教育に集中できる環境を整えるためにも、こうした雑務をどのように減らしていくかを考えることが大切です。
4. 地域との「気持ちのずれ」:話し合いは足りていますか?
地域の皆さん全員が、学校を開放することに賛成しているわけではありません。「学校は勉強する場所だから、静かにするべきだ」という意見もあります。また、利用する団体同士で、使う時間や内容をめぐって意見が合わず、トラブルになることもあります。この事業をうまく進めていくには、地域の方々とじっくり話し合い、意見を交換することがとても大切です。色々な考え方を持つ地域の方々と、どうすれば皆が納得して、一緒に学校を使っていくことができるか。これは、地域に根ざした事業だからこそ出てくる、デリケートな問題と言えるでしょう。
学校施設開放事業は、「地域と学校をつなぐ」素晴らしい仕組みです。しかし、それをこれからも続けていき、皆さんが安心して、安全に利用できるようにするには、色々な方面からの助けと、状況に合わせて変えていけるルールが必要です。今こそ、「開かれた学校」とはどういうものか、地域全体で改めて考え、みんなで協力して解決策を見つけていく時なのかもしれません。
皆さんの地域では、この学校施設開放事業について、どんなことを感じていますか?