コラム

Column

2025.9.4

元体操選手が不良グループにバク転を教えたら、人生が変わった話

スポーツが育む「人間力」:ある体操指導者の軌跡

学生時代、体操競技に打ち込んだ経験が、人生を大きく変えるとは思いもしませんでした。すべては、小さな教室で2人の小学生を指導することから始まったのです。

 

ゼロからの挑戦がくれたもの

 

「責任はすべて自分で取る」「自分の好きに決めていい」という、まるで起業家のような自由な条件で始まった指導。マニュアルのない中、試行錯誤を繰り返す日々でした。しかし、この「自分で考え、作り出す」経験こそが、今の体操教室の礎となっています。

生徒は瞬く間に25人に増えましたが、中には運動が苦手な子もいました。どうすれば体を動かす楽しさを伝えられるか悩んだ末、思いついたのがトランポリンでした。選手時代には空中感覚を養うための道具でしかなかったトランポリンが、彼らにとっては「運動嫌いを克服する魔法の道具」になったのです。

この気づきから、私たちの教室ではトランポリンを単なる「ご褒美」ではなく、跳び箱などと同じように「ひとつの種目」として位置づけています。運動の得意不得意に関わらず、誰もが体を動かす喜びを感じられる場を提供したい。この理念が、私たちの教室の大きな柱となりました。


 

スポーツは最高のコミュニケーションツール

 

もうひとつの転機は、教育実習で訪れた荒れた中学校での経験です。喫煙する生徒や廊下を走るロケット花火。そんな環境で、私は「不良グループ」と呼ばれる生徒たちにバク転を教えることにしました。

すると、彼らは毎日体育館に通い続け、次第に心を開いてくれました。バク転という共通の目標を通じて、彼らは家庭の悩みや学校への不満を打ち明けてくれたのです。スポーツは、単に体を動かす喜びだけでなく、信頼関係を築き、人間性を育む最高の教育ツールだと痛感しました。


 

「スポーツを通じた人間教育」という揺るぎない理念

 

27歳で会社を創業する際、私は「自分は何でできているのか」を改めて自問しました。答えは、スポーツを通じて培われた人格でした。

私たちの教室が目指すのは、オリンピック選手を育てることではありません。目指しているのは、スポーツを通じて子どもたちの人間性を育むことです。体を動かす楽しさを伝えることはもちろん、試行錯誤する力や、仲間との信頼関係を築く力など、生きていく上で不可欠な「人間力」を育むことを最も大切にしています。

マニュアルのない状況からすべてを自分で作り上げた経験、トランポリンがくれた気づき、そして教育実習での忘れられない出会い。これらの経験が、私たちの「スポーツを通じた人間教育」という揺るぎない理念を形作っています。この理念に共感し、共に子どもたちの成長を支える仲間たちが、今日も全国で奮闘しています。


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